「期待」はあなたではなく「お客様」がするもの

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2012年06月25日 08:11



最近、各地で新たなランドマークのオープンが続いています。
メディアでもその盛況ぶりが報道され、オープン何日で何十万人とか何百万人とか・・・
そして、そのオープン合わせて、地元商店街の期待のこもった盛り上がりぶりも報道されています。

しかし、1ヶ月もたつと、今度は、判を押したように、「期待通りのインパクトがない」「新しい施設にはあれだけ行っていても、自分達の所には来てくれない」と、残念がる地元商店主や商店会長などのインタビューが、紹介されるのです。

まあ、駅から新しい施設までの動線上に、その商店街があるのならば、町への流入が増えるんですから、機会来店客が増えるチャンスはあります。
けれど、その動線から外れた所にある商店街などは、ポテンシャル(潜在顧客量)は増えることにはならないのです。

新しい集客施設が出来ると、その周辺の街も、同時に100%潤うなんて、実はあり得ません。
もう少し詳しく言うと、商圏に集まる潜在顧客を、店舗に吸引する為の具体的な行動を起こさずして、機会来店客も目的来店客も増えることはない、ということなのです。

機会来店客・・・これは、店舗前や看板を見て、「あ、こんなところに○○がある、じゃあ行ってみよう」とか「まあ、ここでいいか」などの理由で利用されるお客様のことです。

目的来店客・・・自宅や勤め先で、「今日は、○○に行こう」と決めて、来店されるお客様のことです。予め、そのお店に行く理由・目的が明確なお客様です。

集客施設が出来て、商圏のポテンシャルが増えれば、これらのお客様は、増えるチャンスがあります。

しかし、駅や施設への流入が増えても、店前を通る通行量が増えないと、ポテンシャルが増えたとは言えません。
当然ながら、機会来店客は増えません。

また、その街、その商店街に、あなたのお店がある事を知らない、また、そこに行く理由がない、と言う場合は、目的来店客は増えません。

「期待はずれでした・・・」と言う商店街の皆さんは、「自分達の商店街の魅力を、流入する人たちに、伝える工夫をしたのでしょうか?」
自分達の商店街に、ついででも来て頂けるような誘導作戦をしたのでしょうか?

これをしないで、自分達の店には来てくれない・・・なんて言っていてはいけないのです。
そこに素敵な商店街があることを知らない人が、さあ行こうと言って来てくれるわけはありません。
近くまで来たからと言って、ついでにぶらぶら散策してくれる人は、さほど多いわけではありません。

さあ、せっかく近くにものすごいレベルの集客施設が出来たんです。

①目的来店客を増やす為に、自分達の商店街の魅力をありとあらゆる方法を使ってお知らせしましょう。
  メディアに訴えるのも良し、雑誌記事への掲載を働きかけるのも良し、SNS活用も良し、待っているだけではなく攻めていきましょう!

②機会来店客を増やす為に、自分達の商店街まで、人の流れを作りましょう。
  それには、人の居る場所での活動が大切です。人の集まる場所で、チラシを配るも良し、看板を設置するのも良し、色んな方法がありますよね。
  店舗前通行量を増やせば、後は店頭勝負も出来るようになります。
  店前通行量がイマイチでは、店前勝負は出来ません。

目的来店客は、目的が無いと来てくれません。
機会来店客は、目の前に看板やお店がないと気がつきません。

新しい集客施設・商業施設が出来て「自然と」「ほっておいても」「勝手に」潤うのは、店前通行量が増える場合のみです。
動線から少しでもはずれているのならば、期待だけでなく具体的な行動を起こし、お客様に「期待」を持って頂きましょう!

「期待」は、商店主がするものではなく、お客様にして頂くものなのです。

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