お店は高生産性スタッフと低生産性スタッフの平均値で廻っている

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2013年06月29日 07:57



「どうぞ、お冷やお注ぎしますね~」
「ありがとうございました。お会計は2000円ちょうどになります。」
「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております」
「お客様いらっしゃいませ。今日はいつもの?はい、承知しました。」
「次のお皿ここに置きますね。」

ここは、吉祥寺で昔から有名なパスタ屋さんが兄弟店として2年前に新たに出店したお店。チョット路地裏のビルにあるのでわかりにくいのだが、いつも満席である。理由は簡単。美味いからである。

しかし、流行っている理由はそれだけではない。ムチャクチャ忙しいのにもかかわらず、ホールスタッフの女性2人がムチャクチャ良く働く上に、愛想が良く元気で、しかも美人なのである。なので、食べていてとても気持ちが良い(笑)

何が凄いって、そのうちの1名の女性。ホールの3分の1を受け持ち、レジも打ち、入店されたお客様のテーブルへの誘導もし、と思ったらキッチンに入り、食器を洗ってシェフの前に積み上げる。アフターのドリンクも作る。お冷やのつぎ足しも忘れない。そして満面の笑顔・・・なんて人だ!(驚愕)

客席数と満席率と回転数と客単価を掛けると、この日のランチタイム1時間の売上げは推定35,000円。
ホールは彼女を入れて2人、キッチンは、男性が3人。合計5人で平均すると人時生産性は、一人7,000円なんだけれど、この女性とパスタを作っている男性シェフの2人の実質生産性だけは尋常ではない。売上げの70%は、二人が担っているのは確実である。つまり彼らの生産性は、12,250円!

こんな中で気になったのが、ひとりコックコートを着ている男性シェフ。この人、ランチ用のミニサラダ作りしかしていない。食器洗いのサポートも、ドリンク作りのサポートもましてやホールにも一歩も出ない。ただ、ランチミニサラダを作っているだけ。でも、態度は明らかに新人ではない(笑) 全体に気を配って、的確な指示をしているわけでもない。とても不思議な光景である。

面白いことに、多くのレストランがこのように、ムチャクチャ生産性の高いスーパーマンと、単なる頭数だけのスタッフで店は廻っている。そして、そう言う状態でも廻っているからOKと思っているのだ。これは、大きな勘違いである。生産性が極めて低いスタッフの生産性をもっと上げれば、スーパースタッフは、もっとお客様に気配りが出来る様になる。売上げももっと上がるのである。もっと客席回転率もアップするのである。

例えば、この店のキッチンで言えば、キッチンのレイアウトを少し変え、サラダ係の一番のえらそうな人が、サラダ作りと食器洗浄のふたつを受け持てば、先ほどの優秀な女性ホールスタッフは、もっとお客様の応対にパワーを注げるのである。それは確実に売上げアップに繋がるのである。

このことに早く気づけば良いのにね~
お客様の立場から見ると、特にキッチン内では非常に不思議な現象が起きていることが多々あります。でも、これって、お客様目線でしか気がつかないのかも知れない・・・

もっともっと本気でお客様の立場に立てば、きっとお店の売上げの悩みは、ほとんど解決するんじゃあないのかな~

「相手軸!相手軸!」

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