お客様がまた来たくなる理由を考える

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2013年07月21日 13:35




「選手のころは、自分が挑戦したいことに打ち込んでいたが、プロになって『お客様がもう一度見たいと思う演技は何か』と常に考えるようになったんです。」

これは、7月20日付の日経新聞に掲載された、プロフィギアスケーター荒川静香さんの談話です。

店舗でお客様をお迎えする立場でも同じ事ですよね。決められたマニュアルを一生懸命やるのは、最初は良いんだけれど、いつまでもそれさえやっていたら良いんじゃあ無い。少しレベルが上がって、うちの売りはこうだから、これにこだわっていればお客様はきっと来るよね、と思うのも悪くは無いけれど、これでもまだ自分軸。本当にお客様にまた来て頂きたいのならば、「お客様がもう一度来たいと思うお店ってどういうお店なのか?」をずっと考え続けること。ここまで行って始めて「相手軸に立っている」と言えるんだと思うんです。

荒川さんのように、自分がしたい演技にこだわって徹底的にやる。これは、自分軸を鍛えるためにとても大切なことだし、それがあったからこそ金メダルを取れたんだと思います。

でも、プロになってそこに「お金を払って下さるお客様」の存在を再認識したとき、自分軸から相手軸にきちんと軸を移して真剣に考え始めたんですね。

お客様に満足して頂き、何度も何度も来ていただけるようになるには、このお客様が、再び来店されるシーンをイメージすることが大切です。その時の応対、接客だけに注力するのと、次回のご来店シーンを想像しながら接客するのとでは、接客そのものがずいぶんと違ってきます。

「今晩のおかず、何しようかな~」
「今日も暑いですよね~」
「そうね~」
「そんな日の夕食の食卓に、このおかずがあれば、ご主人パワー倍増ですよ~」
「あら~上手いこと言うわね~私もそんな気がするわ(笑)」
「ありがとうございます。私、お客様のこと、今日はずっとお待ちしていたんです。きっと来て頂けると思っていました。」
「あらそうなの~フフフ」

たわいも無い会話です。でも、このお店でお客様をお迎えしているこの店長は、この瞬間だけでは無く、ずっと長くこのお客様と繋がりを持ちたい、と言う気持ちで接客をしています。だから、言葉のお客様の気持ちの中に入っていく浸透力が違います。こうして伝えられた言葉は、長くお客様の心に残るのです。

マニュアルで定められた会話では、こういう言葉は出てきません。
もちろん、お客様の心に長く残ることはありません。

マニュアルは、あくまでも最低ラインを定めたもの。そして、二度と来なくなるような原因を作らないことが目的です。
でも、「お客様にもう一度来て頂くために真剣に考えて接客する」と、マニュアルにもサービスチェックにも現れないような、自然な会話が生まれるのです。

しなくてはならないマニュアルレベルから、お客様にもう一度来て欲しいな、それにはどうすれば良いんだろう?と考えるレベル。
これは、自分軸から相手軸に、気持ちを移動させるということです。
皆さんも、もう少しだけ、お客様の気持ちになって考えてみませんか。
そうすれば、きっと大きな事に気がつきますよ。

「相手軸、相手軸」

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