新人店長は「上司」をマネジメントしよう2

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2013年12月05日 08:23




「おお~素敵な笑顔ですね。さすが店長が自慢するだけあるな~。〇〇さん、最近もの凄くがんばっているんだって?お店の売上げが伸びているのはそのせいかな?ありがとうね。」

なんだか歯が浮くような言葉ですね。実は、これはある店長が、ひさしぶりに店舗を訪問した社長に、こそっとお願いして自分の部下の新入社員に対してポジティブな言葉をかけてもらった、と言う仕掛けだったのです。

社長から、笑顔とがんばりをほめられたその新入社員は、その日から俄然元気パワーが増加し、とても意欲的に仕事をしているようです。この仕掛けをした店長も、普段から部下をほめて育てるタイプでしたので、この部下はほめられることは慣れているはずです。しかし、新入社員が社長から直接ほめてもらうなんて滅多にないことです。その嬉しさは天にも登るほどだったに違いありません。

店舗で働く社員、特に新入社員にとって、普段接触する会社の上司って直属の店長か、定期的に訪問されるエリアマネジャーくらいしかいないのが一般的です。そのひと達に、温かいほめ言葉をもらうのも嬉しいものですが、直接お話しをする機会などが滅多にない立場(役員や社長など)からほめられたり励まされたりすると、やる気アップにもの凄く効果があるのです。

この店長は、その効果をよく理解していたようです。でも、この店長が凄いのは、こう言う部下に対する効果だけではありませんでした。実は、この社長、現場に行くとかなり厳しく店長を指導することで有名でした。その為、社長が訪問するときには厳戒態勢でピリピリムードになるのが普通でした。しかし、この店長は、社長が店に到着するなりすぐに、部下についておほめの言葉をかけて頂くようにお願いしたことで、社長の気分が一気に変わったのです。

店長から耳打ちされた社長は、「そうか、わかった。」と言って急ににこやかになり、新入社員に声をかけた後は、自分が新入社員だった頃の話や、店で走り回っていたときの話を楽しそうにし続けたのです。そして、何事もなく、つまり社長からは厳しい指導もなく無事にその日の巡回を終えたのでした。

店長が使ったのは、社長の気持ちをついた見事な心理作戦でした。
社長は普段から孤独です。店を訪問しても店長はピリピリしており、決して歓迎ムードではありません。その為、どの店に行っても自然と厳しい仕事モードに入ってしまっていたのです。いや、そうするしかなかったのかも知れません。しかし、この店長は、新入社員との会話を演出、しかも「ほめ言葉」という、ニコニコして言わざるを得ない状況を作ったのです。こんなことをされると、もうピリピリした、厳しい仕事モードに入る必要はなくなります。

そもそも、別に社長が細かいところを指摘してまわらなくても、店はキチンと運営していけるものです。社長巡回で、わざわざ仕事を増やす必要など無いのです。でも、不器用な社長は穏やかなムードを自分で演出できないのです。だったら、店長がそれを演出すれば良いのです。

経営者の心理を上手くマネジメントできる店長。この先の活躍が楽しみですね。
へえ~っと思っているあなた!あなたにも出来る事ですよ!さあ、やってみましょう!
だって、経営者って寂しいんだからね!

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