新人店長は「慣れ」てはいけない

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2013年12月31日 10:02




「おはよう!今日で3日目だね。どう?もう慣れた?まだ慣れてない?」
「はい・・・まだまだです。なかなか慣れなくて・・・」
「オッケー!それでいいのよ!」

この店長は、まだ仕事を始めて3日目の新人アルバイトに、もう慣れたか?と聴き、まだ慣れていないと答えたことに対して、それでよし!と明るく声をかけました。そして、

「まだ慣れちゃあダメよ。と言うか、慣れてきたなあ、と思ったときは『危険信号』だからね。ちゃんと私に言ってね。」と、笑いながら続けました。

店長が言いたいのは、「慣れてしまうと緊張感がなくなる」と言うことなのです。新人はゼロから始めるわけですからもの凄いスピードで成長します。最初は緊張感いっぱいで全力で取り組みます。しかし、少し出来る様になって余裕が出てくると、今度はその緊張感が少し低下します。ホッとするのです。すると、思わぬミスが生まれる事があるのです。

確かに作業が熟練してくると、効率も精度もスピードも向上します。それは「成長」です。しかし「慣れ」て来ると、そこで停滞することが多いのです。さらに勘違いすると「まあ、この程度でイイかな~」と楽に考えてしまうのです。こんな風に考え始めると、新たなチャレンジをしなくなります。

新人には「慣れ」ではなく、「成長のプロセス」を意識させることが大切です。目標はもっと先に有り、今はどこまで進んでいるか?と言うことを考えさせるのです。

「お!だいぶ出来るようになったね。表情にも余裕が出てきているね。今のレベルは自己評価ではどれくらいかな?」
「はい、トレーナーの方には、70点くらいと言われたんですが、自己評価では50点です。だいぶ早く出来る様になりましたが、忙しくなると表情が固くなるんです。自分でも顔が引きつっているのがわかるんです。」
「おお!厳しいね~でも、その意識はとても良いわよ。じゃあ、顔が引きつらないようにするためにどんなことしてるの?」
「はい、気持ちに余裕を持たせるために、次の作業に移るときに一度立ち止まってから動くようにしています。連続して動くほうが早いのですが、その分焦ってしまうんです。」

新人でも、自分の成長を意識させるように指導すると、必ず、正確に自己分析が出来る様になります。一方で「早く慣れさせる」事ばかりを意識させると、目の前のことしか考えなくなります。新人が熟練したベテランのように成長するにはまだ修行が必要です。自分の成長に対してポジティブな気持ちでチャレンジし続けさせるためには、「慣れ」ではなく「成長のプロセス」を意識させることが重要なのです。

昔こんな店長がいました。異動して一ヶ月経った頃、上司であるスーパーバイザーから、「もうこの店には慣れましたか?」と聴かれたのですが、「いいえ、この店もこの仕事もそんなに浅くはありません。慣れるにはあと2年は必要ですね。ま、慣れたら次の店に行きますけど。」と答えていました・・・・生意気ですね~(笑)

http://ameblo.jp/aitejiku/


関連記事