新人店長は「スタッフの意識向上中の生意気さ」を理解しておこう

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2014年04月02日 09:38




「それって、店長と副店長でおっしゃっていることが矛盾しませんか?おかしいですよ!!」

スタッフのAさんは、ちょっと生意気な口調で副店長に食ってかかりました。
Aさんは、先日の店舗ミーティングで、店長が説明した基本方針と、副店長の指示とが違っているように感じたのです。

副店長「いっしょだよ!このやり方の方が売上げは上がるんだ。だからこうしろって言ってるんだ!」
スタッフ「全然意味がわかりません。おかしいです!」
副店長「うるさいな、いやならやめろよ!」

売り言葉に買い言葉で収拾が付かない状態になったところで、店長が間に割って入り、その場は収まりました。
店長が、副店長とスタッフからそれぞれに話を聴くと、別に副店長は、店長の言うことと逆のことを言ったり、矛盾していることを言ったりしているわけではありませんでした。ただ、説明が短絡的で誤解を与えるような言い方をしていたのです。

一方で、スタッフの方も、おちついて、よくよく聴いてみれば、店長と副店長は同じことを言っていると言うことを理解したのでした。

今回のドタバタの原因は、副店長の説明力不足が、一番大きいのは明らかなのですが、実はこう言うコミュニケーションギャップは、スタッフの意識向上のプロセスではよく起こることだと言うことを、店長は知っておく必要があるのです。

スタッフは、自分達が誰のために、何の為にこの仕事をしているのかなどの目的意識を高めて行きながら成長を積み重ねていきます。若いスタッフならそのスピードは眼を見張る物があります。しかし、その分、考え方や理解のプロセスが充分に固まらないままで、意識だけが先行して成長していくのです。そうすると、ほんのチョットした矛盾点がとても気になり、若さ故の正義感が、その矛盾点を正そうと言う行動に出るのです。

今回のケースも、副店長の説明力の不足が原因で、スタッフの意識は「これは矛盾している」と判断したのです。そのスタッフが、もう少し余裕を持てるようになると、矛盾点を丁寧に表現して、副店長に説明内容の矛盾を気づかせるのですが、成長し始めた初期段階では、そこまで高度なコミュニケーションは取れないことが多いのです。

店や企業では、目的意識を高めるための教育に力を入れているところが増えています。しかし、意識が高まったと言っても、すぐに理解力や表現力が高まるわけではありません。店長や経営者は、そこをよく踏まえておかないと、いくら彼らが正しいことを言っていても、つい「文句ばかり言う奴」「生意気な奴」というレッテルを貼ってしまう危険性があるのです。

ひとが成長する段階では、ひとは必ず「生意気」になります。
基準、標準をたくさん学ぶと、それが「正しいこと」として何でも判断します。
それ故に、少しでもそこからずれているとそれを許せなくなるのです。
まあ、悪いことではありませんが、先ほども言いましたが、表現力がついてきていないので、ついつい生意気な言い方になってしまうんですよね。

さて、あなたの周りにも、日々急激に成長している若者がいませんか。
そんな彼らが、ちょっと生意気な言い方で問題点の指摘をしてきたら、「ああ、成長しているんだな」と余裕を持って受け止めて上げて下さいね。

だって、たぶんあなたも昔はそうだったんですから。

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