「売上を伸ばし続ける店長」がしているPDCAのまわし方:その46

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2014年07月24日 08:15




第5章 CHECK:フェアな評価をしてやる気を高めよう・・・・フェアに評価しないからやる気を無くすのです
③あなたの店の本来の売上を「前年」で決めるのはおかしくないか?・・・思いっきりストレッチしてみよう


「N店長の店の売上げは、本来はいくら売れるはずなんですか?」

本社で行われたときに、M部長から質問されたN店長は、「え?」と思わず絶句してしまいました。
そりゃあそうですよね。自分の店の「本来の売上」なんて、誰も意識していません。店長は、自分の店の予算を作った担当者や、自分の店を契約した店舗開発担当者が作った「予測売上」「計画売上」「予算売上」、そして前年実績があるのならば「前年売上」が、「本来の売上」のように思っています。

でも、それは全然違います。
もしもそうならば、前年比150%や200%なんて売上げなど上がるわけがないからです。
第2章の「売上はこう考えるとわかりやすい」でお話ししたように、売上とは「ポテンシャル×吸引力」です。「あなたの店の商圏内にいる『既存顧客』と『潜在顧客』を、あなたの店の『吸引力』でどれだけ引っ張ってきて、そしてお買い上げいただいた」、と言う結果なのです。と言うことは、「ポテンシャル」を「最大限に吸引」いや「100%の吸引力を発揮」すれば、もっともっと売れてもおかしくないはずなのです。

新店舗の売上予測や計画売上げなどは、基本的には、他店舗の実績データや、競合店のベンチマークによって推定された数字です。これは、「本来の売上げ」ではなく「まあ、これくらいは売れるでしょう」と言うただの「過去の数字から計算された仮説」なのです。

前年実績でも、それはただの結果に過ぎません。「限界」ではありません。
「本来の売上げ」とは「限界値」のことを言うのです。

では、「限界値」とはいくらなのでしょうか?
単純な理屈上の「最大限のキャパシティ限界値」は、簡単に計算できます。それは、

満席率100%客席数×1時間あたり最大回転率(最少滞在時間)×営業時間×最大客単価×月間営業日数

ですよね。もう、とんでもない売上げになります。
N店長の店で計算すると、25x3x10x800x30・・・なんと月商1800万円になるのです。

ところが、現状のこの店の売上げは、月商500万円。4分の1程度ですよね。
その差は、1300万円。ポテンシャルは変わらないとしても、「吸引力」を高めていったらここまでは売れるはずなのです。

最大理想像~限界値との差を埋めていく計画を立てるのが一番楽しい


「1800万円はさすがに、ムチャクチャになりそうだけれど、今の500万円を1000万円にするのは、可能かも知れないな・・・」

素直なN店長は、M部長に言われた「限界値」を想像しながら、目標を立てました。
最終的に立てた目標売上げは、月商750万円でしたが、それでも現状売上げの1.5倍・・・・前年比を基準にしていたら到底想像できない売上げですよね。

このように、目標値をストレッチすると、それを実現させるための発想が、思いっきり変わってきます。と言うか、変わらざるを得なくなります。今までの延長線上ではなく、まったく新しい発想をしない限り、ストレッチした目標には到底届かないからです。
しかし、このストレッチが、スタッフや店長の中になる「やる気」を引き出すエネルギーになるのです。

ただ、ひとつ注意点があります。
「安心安全」や、「ブランドイメージ」「予算」など、絶対に守らねばならない「ルール」は逸脱してはいけません。経験の浅いスタッフや店長は、「燃えやすい」ですが、「脱線もしやすい」ので、この点はよく注意しておきましょう。もちろん「予算」については、上司がOKなら問題ありませんけどね。

ではまた明日。

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