そうだ「お店の健康診断」をしよう:その61スタッフは全ての商品を試食していますか?

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2014年10月18日 09:15



第6章:プロモーションの健康状態を調べよう

⑬スタッフは全ての商品を試食していますか?・・・食べたことも無いような商品を「気持ちを込めてお薦めする」なんて出来ません


「お薦めは、このメニューです。私は、自分がOFFの日にこの店で食べるときには必ずこのメニューを注文するんです。美味しいですよ~お客様が今飲まれている赤ワインにピッタリ合います。私が実証済なので大丈夫です!」

大阪のあるイタリアンレストランのホールスタッフにこうお薦めされた私は、即座に「じゃあそれ1つ下さい」と言ってしまいました。

これは私がよくご紹介する実体験です。この時のシーンを思い出すとまたあの店に行きたくなります。
しかし、世の中は、こう言う店ばかりではありません。気持ちのこもったお薦めがなかなか出来ないスタッフもいるのです。

「こちらがお薦めメニューです・・」
「へえ~、じゃあこのメニューってどんな味?」
「ちょっと店長に聴いてきます・・・」

ビックリしてしまいますが、こんな店がとても多いのです。
なぜ、こうなってしまうのか?
その原因はただひとつ。

そのスタッフは、そのメニューの試食をしたことがないからなのです。

しっかりした高級旅館や高級レストランでは、こう言う低レベルなことは起きません。
なぜならば、彼らは全てのメニューについて実際に試食して、それをどの様にお客様に伝えたら「食べたくなるのか」をいつも考えているからです。
ところが、そう言うことをしていないレストランは、スタッフに全てのメニューの試食なんて「もったいない」もしくは「面倒くさい」と言ってしないのです。ひどい店では、店長ですら試食を充分にしていないところもあるのです。
もっと酷いケースでは、「私って〇〇〇が苦手なんですよね~」と言って、口にしないひともいたりするのです。
こう言う人はその商品を売る資格はありません。早く辞めた方が良いですよね。

東京のある高級中華レストランでは、調理長が自らホールスタッフにメニューを説明しながら試食をする仕組みを持っています。定番商品はもちろんのこと、季節メニューやキャンペーンメニューについて、自分の想いやこだわりを一生懸命に伝えます。なぜ、この材料を使っているのか?このメニューの健康的な効能はどうか?辛いのか酸っぱいのか?辛いのが苦手ならば少しマイルドにできるように注文できるのか?そう言う細かいところをいつも伝えています。

ホールスタッフは、調理長の語る言葉を真剣かつ熱心にメモを取ります。
そして、彼らは調理長のそう言う姿勢をそのまま受取り受け継ぎます。
だから、お客様に、その商品の美味しさを伝えられるのです。

チェーン店でもこう言うことは可能です。
ただし、販促用の説明書に書いてある「お薦めの方法」を読んで覚えても、その商品に込められた想いをお客様に伝えることは出来ません。

その商品がどういう想いで作られ、どういう目的を持ち、お客様に何を感じて欲しいのか?

それを伝えるために、真剣に考えながら試食をしないと、開発者や調理社や原材料の生産者の気持ちは理解出来ません。店長やスタッフが一緒に「どうすればお客様に伝わるのか?」を真剣に考えるから伝わるようになるのです。

さて、あなたの店では、全ての商品を「試食」していますか?

メガネ屋さんならメガネのかけ心地。
アパレルならば服の着心地。
マッサージやエステでも同じですよ。
何事もお客様にお勧めする前に、自分で試すことが何よりも大切なのです。


※写真は、私が大阪出張時によく利用する南堀江のイタリアンレストラン「クオーレルディーノ」です。冒頭のお薦めをしてくれたスタッフのいるお店です。
クオーレルディーノのホームページはこちら
http://www.cuorerudino.com/

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