ああ~もったいない・・・食べ終わるとさっさと新しい使い捨ておしぼりの入ったスプーンカゴを片付ける店

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2014年11月21日 08:15



「あの~、もう一枚、おしぼりをもらえるかな・・・」

私は、使い捨ておしぼりが1枚とスプーン、フォーク、ナイフが入ったカゴを、私のテーブルから黙って下げようとしたホールスタッフに言いました。彼は、「あ、はい、どうぞ」と言って、私のテーブルに1枚の使い捨ておしぼりを置いて、すぐにデシャップに向かいました。これは、あるイタリアンでのひとコマです。

ピッツアを売りにしているイタリアンレストランで、流行っている店と苦戦している店の違いは、何もピッツアの味や立地だけではありません。スタッフの接客応対そのものがとても大きく影響しているのです。
しかし、その接客が「感じのイイ店」と「イヤな感じの店」の違いは、ほんの紙一重なのです。

「感じのイイ店」は、ケチ臭くありません。ピッツアは、基本的に手づかみで食べます。なので、食事の前に、テーブルの上にある使い捨ておしぼりを使って手を拭きます。そして、ピッツアを1枚食べ終わる頃になると、その使い捨ておしぼりは、かなり汚れています。お客様の立場としては、席を立つ前に、指を綺麗にしたいですよね。

すると、使い捨ておしぼりは、もう一枚。つまり、合計で2枚は必要なのです。
ところが、こんな簡単な「お客様の立場や感覚、気持ち」を、苦戦している店はまったく理解していません。
しかし、繁盛している店は、必ずもう一枚、新しい使い捨ておしぼりを持って来てくれます。
「どうぞ、こちらをお使い下さい。」と笑顔で渡してくれます。

たったこれだけのことで、「ああ~この店、感じイイなあ~」と思ってしまうのです。


でも、冒頭の店では、さあ最後に手を拭こうかな、と思っている目の前で、その使い捨ておしぼりが入ったスプーンカゴをさっさと下げられました・・・・カチン、ムカッ、イラッとしますよね。多分、私で無くても嫌な気持ちになると思うのです。

スタッフからすれば、「もう食事は済んだんだから、スプーンカゴは要りませんよね。次のお客様のために、新しくスプーンやフォークをセットしないといけないので、もうこのカゴは下げさせてもらいますね。」と、こんな気持ちなのでしょう。
スタッフの立場からすれば、仕事を要領よく、段取りよく、テキパキこなしている気分かも知れません。しかし、残念ながら、その瞬間、ひとりのお客様を失っているかも知れないのです。

このような「使い捨ておしぼり」は、1枚あたり2~3円です。1日に200人のお客様が来たとしても、500円程度のコストなのです。ひとりのお客様に2枚使っていただいても痛くも痒くも無いはずです。しかし、そのおしぼりが入ったカゴをさっさと下げられると、「あ~なんだかケチ臭いな~この店・・・」と思ってしまうのです。

ホールスタッフは、もっとお客様の立場、相手軸に立ってみましょう。
お客様は、どうされると嬉しいんだろうか?をもっと考えてみましょう。


なにも、特別な、特殊な行為を求めているのではありません。
食べ始め、食べている最中、そして、食べ終わったら・・・・何をしてもらえると嬉しいんだろう?自分が、お客様になって考えれば、どんどんとアイデアが湧き出てくるはずです。店長は、スタッフに「お客様の立場に立って考える環境」をミーティングなどで作って上げましょう。そして、その環境の中で、スタッフ同士で話し合って、「こうしたほうがいい」「こうしてくれると嬉しい」をと言うアイデアをまとめれば良いのです。

店長が口うるさく言わなくても、「考える環境」を店長が作れば、スタッフはどんどん成長をし始めます。
いつまでたっても「感じのイイ店」にならないのは、この「考える環境」がなく、上司がガミガミと指示したり怒ったりしているからなのです。

「使い捨ておしぼり」は、ほんの一例です。
本当にお客様が、「この店、感じイイなあ~」と思ってもらえるように、スタッフ自身が考える環境作りを、是非始めて欲しいのです。
すると、きっと、今よりもさらに、仕事が楽しくなりますよ!

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