「この回っているブリを見ていると『本日のオススメ』って注文したくなくなるよね~」
ある回転寿司に行ったときのことです。
この店では、『本日のオススメ』として、「天然ブリ」を入口の黒板に書き、回転レーンにもお皿に乗った「天然ブリ」が流れていました。
しかし、その「天然ブリ」が全然美味しくなさそうなのです。
表面が乾いて、干からびているようなネタや、ちょっと変色してる?と感じるようなネタがそのまま回転しているのです。これでは、とてもとても『本日のオススメ』を手に取りたいとは思いません。
とは言うものの、『本日のオススメ』と黒板に書いてあるものですから、何人かのお客様は、直接、注文しているようです。この店では、タッチパネル式のタブレットが、各席に設置されており、それを押して注文すれば、通常のレーンの上にある「特急レーン?」とでも言うのでしょうか、タッチパネルで注文したお寿司が、その注文客の前にシューンと、流れてきて止まる仕組みになっているのです。
なので、タッチパネルで注文すると、握りたての新鮮なお寿司が食べられるのです。
そのせいもあってか、ほとんどのお客様は、回転しているお寿司には手を伸ばしません。
たまに、タマゴとか、げそのフライとかに手を伸ばすお客様はいますが、魚の寿司には誰も手を伸ばしません。
にもかかわらず、たくさんのお寿司が回転しています。
まあ、この回り続けているお寿司は、賑やかしかディスプレイのつもりなのかも知れませんね。
この店では、注文は、「特急レーン?」での注文が、ほとんどなんだと覚悟をしているのでしょうね。
ならば、『本日のオススメ』の「天然ブリ」は、レーンには流してはいけないのです。
いや、厳密に言うと、「表面が乾いている寿司ネタをレーンには流し続けてはいけない」のです。
いくら店が、ディスプレイのつもりでも、美味しくなさそうなネタが回っていると、全てのお寿司のイメージに影響し、そのまま店のイメージにも影響してしまうのです。
それが、『本日のオススメ』だと、店が受けるダメージはさらに大きくなります。
せっかく、良いネタを仕入れたのだとしても、そのイメージを悪くアピールしてしまっていることになるのです。
この店は、タッチパネルと特急レーン?に、依存しすぎてしまっています。これでは、やがてお客様は「この店のお寿司は新鮮ではない」と言う、せっかく新鮮さにこだわろうとしている姿勢が台無しになってしまいます。
このような便利なシステムは、新鮮さを売りにしながらも、ロスの軽減に役立てるスグレモノです。
しかし、それが「お客様の印象を悪くしている」のでは、意味がありませんよね。
さて、このようなタッチパネルと特急レーン?の仕組みを使いながらも、うまく、通常の回転レーンを活かしている店もあります。そう言う店は、『本日のオススメ』も、レーンに流し始めたら、それをどんどん大きな声でアピールします。回転レーンをただのディスプレイにはしないのです。
そうやって、店に活気を出しながら、オススメメニューの販売量を増やし、売上を上げ、ロスも軽減させているのです。
いくらお金をかけた便利システムを導入しても、使う側の店頭やスタッフがそれを生かし切らなければ、宝の持ち腐れ、いや、逆効果にしかならないのです。
この店の店長には、その大切なポイントに気がついて欲しいですね。
でないと、もったいない事になっちゃいますよ・・・
※写真は、本文のお店とは無関係です。
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