「先日、スタッフリーダーから『店長はスタッフのFさんを誉めないでください』と言われたんです」
若き店長は、尊敬する先輩店長（このブログでは「出来る店長」と呼んでいます）に、自店舗のスタッフのリーダーから言われた言葉について相談をしていました。
若き店長は、そのスタッフリーダーから、「店長が誉めると、そのスタッフが勘違いをしてしまうから誉めないで欲しい」と言われたのです。
若き店長は、いつも四六時中スタッフを誉めていたわけではなかったのですが、良い行動や結果を出したときには積極的に誉めるようにしていました。
しかし、そう言われたことで、誉めることに対して少し躊躇する気持ちになってしまった、と言うのです。
「なぜ、誉めることに対して躊躇する気持ちになるんだろうね」
「スタッフリーダーに『誉められると勘違いする』と言われたことが気になるんです」
「リーダーは、どうして勘違いすると思うんだろうね？」
「彼女によると、そのスタッフは、まだまだ誉められるようなレベルではないというのです。にもかかわらず、店長が『いいね～』と言ってほめてしまうと、それが基準となってそれ以上伸びなくなってしまうと言う事らしいのです」
「なるほどね。確かにそうとも言えるよね」
「そうですよね。誉める基準ではないのにほめてしまうとそれでOKだと勘違いしてしまいますよね」
「君だったらどうかな？誉められるようなレベルではない時に誉められると、どんな気持ちになるだろう？」
「そうですね。まずはうれしいですよね。そして、え？これで良いのか？とは思っちゃいます」
「それで終わりますか？」
「いいえ。他のスタッフよりもレベルが低いにも関わらず誉められても、有頂天になったり、それでもうOKとは思いません。だって、冷静に考えたら自分のレベルが低いのはわかりますから」
「だったら、誉められない方が良いのかな？」
「いえ、やはり誉めて欲しいですよね。うれしいですから。やる気がわいてきますし、もっとがんばろうという気持ち、励みになります」
「では、リーダーは、なぜ誉めると勘違いすると思ったんだろう？」
「彼女は、誉められた時に感じる、うれしさや、励みや、やる気がアップする気持ちを感じていないのかな？あれ？もしかしたら、誉められていないのかな？いや、彼女のことは良くほめていますよ。あれ？なんでそんな気持ちになるんだろう？彼女も、誉められてもそこで気が緩むようなタイプではありませんよ」
若き店長は、リーダー自身も、誉められてうれしく思っても、決して気が緩むような勘違いをするわけでも無いのに、なぜ、スタッフに対してはそう思うんだろう？と疑問を持ちました。
「これは、一度スタッフリーダーに直接聴いてみた方が良いですね」
「直接、その理由を聴くって良いことだね。でも、その前に、一度僕と君とで『質問』のシミュレーションをしておくのはどうだろう。その方が、リーダーの気持ちをもっと掘り下げて聴くことが出来るかも知れないよ」
「あ、そうですね。是非、宜しくお願い致します」
「じゃあ、僕が、君の立場で『質問』をして行くから、君はスタッフリーダーの気持ちを想像しながら彼女の立場に立って答えてみてね」
「はい、わかりました」
明日に続く。
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