「相手軸な叱り方」⑦相手の感情を聞く。原因は聞かない。
ステップ②は、「何が問題なのか?について合意をし、相手の感情を聞く。原因は聞かない。」です。
ステップ①で相手を承認していれば、「問題の現象」については、相手と共有出来ています。
次は、それが「それじゃあまずいよね~」「私は間違っていると思うんだけど」
と、それが「改善、修正、訂正しなければ行けない問題点」であることを合意する必要があります。
これは、昨日お話しした「問題点を認識」している人ならば、この共有は出来ています。
しかし、「は?なんで?」と言う人には、指摘だけでは無く、
「これじゃあまずいんだ」と自覚をしてもらわないと先に進めません。
よくあるのは、ここでガミガミ説教して答えを相手に伝えてしまっているケースです。
これだと「ああ、この人は、これが問題だと言っているんだな」とは伝わっても
「でも何で問題なんだろう?」と、その理由が理解できていないことがあるのです。
何度も何度も同じ事を繰り返す人は、表面でしか問題意識が無いので改善出来ないのです。
また、問題だと思っても、その深さはあなたとは同じであるとは限りません。
その問題の大きさ深さを解決させたいのならば、真の原因から解決しないと出来ません。
真の原因は、指摘程度では認識など出来ないのです。
なので、回りくどくても、相手のこころの底にある真の原因に「自分で」フォーカスを当てて、
気づき、改善し、成長してもらわねばならないのです。
多くの場合、この真の問題点は「相手軸思考」が無いケースです。
その間違いや失敗により、周りに掛けているマイナスの影響を感じていないから、
その周りがいてこその今の自分だという感謝を感じていないから、起こる判断ミスなのです。
なので、そこにフォーカスを当てる様な質問を投げかけます。
質問のポイントは「相手の感情」です。
昔私の部下に「遅刻の常習犯」がいました。
何個目覚ましを買っても、改善出来ません。
低血圧なのかも知れませんし、朝が苦手なのかも知れませんが、それではチームは成り立ちません。
その時に効果のあったアプローチが、周りから見た自分と自分はどうありたいか?を
考えさせる質問でした。
遅刻がよくないことはわかっています。でも、なかなか改善出来ない。
まあ、改善出来たら良いな~、と思っている状態、レベルでした。
「遅刻しなくなったら良いな、と思っているんですね」
~「そうです。本当は遅刻はしたくありません。けれど、起きられないんです」
「そうか、自分では、そんな自分をどう思うんだい?」
~「そうですね。ダメな奴だなあ~と思います」
「厳しいね~、では、そう思われた自分はどんな気分?」
~「いやですね。悲しいです。」
「どんな気分になりたいのかな?」
~「えらいなあ~、よく頑張ってるなと言われて、嬉しい気分になりたいです」
「どうすればなれそうですか?」
~「遅刻をしないことかな?」
「遅刻さえしなくなったら、よく頑張ってるな、と思われるのかな?」
~「それだけではダメですね。仕事もちゃんとやらないといけませんよね」
「では、成長したあなたと今のあなたの差を埋めるには、何があったら良いんだろう?」
~「ちゃんと仕事をする、と言うことかな?その決意とか・・・」
「なるほど、では、今その決意が足りないのですか?」
~「はい、なんか決意というか目標が中途半端なような気がします」
「そうか、では、目標がきちんと明確になったら、成長できそうですか?」
~「できます。したいです。だからまず目標を明確にします!」
この時、私の店では、スタッフの個人目標は、それぞれ明確にしていたつもりでした。
しかし、彼女にとっては、それは自覚の上での目標では無かったのです。
私が提案した目標に、表面的に合意していただけだったようです。
目標を見直して、自覚を持った彼女は、遅刻に対する意識も一気に改善出来たのです。
「遅刻」という問題現象は、実は「不明確な目標設定」が原因だったのです。
もちろんケースにより、真の原因は様々ですが、そこにフォーカスしない限り、
表面的な説教や反省文では自覚は出来ないと言うことが、理解出来た貴重な経験でした。
この経験以来、私の「叱り方」も少し変わってきたのでした。
今日は、ステップ②から④まで一気にお話ししてしまいました。
ではまた明日。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年01月04日
- 07:54
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