「皆さんが、自分がキラキラしている時ってどんな様子になるのかを、私に教えてくれませんか？」
新しい担当マネジャーと10人の店長は、各店のスタッフ不足を解消するために、まずは「お客様から見て、働きたくなるようなお店作りをしよう」「そのためには、店長自身がまずはキラキラ輝かないといけないよね」と決心したのでした。
そして10人の店長が「一番輝いている自分はこんな感じです！」というビジョンをお互いに発表しあい、日々そこに向けて前進しているかどうかを、確認することにしたのです。
「Ａ店長って口角を上げたときの笑顔って抜群に良いですよね。見とれてしまいます。」
「Ｂ店長の目線って柔らかくて、見ていると私もニコってなっちゃいます。」
「Ｃ店長の声は、聴いていて気持ちが良いですよね～ずっと聴いていたいです。」
「Ｄ店長の動作ってキビキビしていて、安心感がありますね。この人に任せておいたら大丈夫！そんな感じです。」
このように自分の理想の状態をチーム内で共有し、ミーティングの度にお互いにほめあいをしたのです。でも、未だスタートし始めたばかり。実際には全然出来ていません。まだ出来ていない状態にもかかわらずほめる、と言う約束で「無理矢理」ほめ合うようにしたのです。
一般的な「ほめる」は出来ているところをほめようとします。しかし、それでは、なかなか「ほめる」ポイントが見つかりません。ましてや始めたばかりです。ほめるポイントを探していたらほめられないのです。だから、最初は、出来ていなくても、目標にしている状態が出来ていると仮定してほめるのです。
出来ていないことは、自分でわかっています。だから、そこをほめられると違和感があります。でも、意識は残ります。だから、理想像を忘れずに済むのです。忘れないことが重要です。ほめないと、それはダメ出しでしか伝えられません。ダメ出しは、ダメです！楽しくありません。とにかく、出来ていなくても出来ているとして「ほめる」のです。
（だまされたと思ってやってみて下さい。効果抜群ですよ！）
さて、部下育成のステップは、
まず、部下を「その気」にさせて、さらに「やる気」を引き出すこと。
次に、部下に眠る「能力」を引き出すこと。
最後に、やる気を「維持」させ、その能力を「使わせ」て「成果」を出させること。
この３ステップです。
マネジャーは、最初のミーティングで、店長達を「その気」にさせました。
そして、ほめ合い作戦を継続して「やる気」を盛り上げています。
そうなると、次にほめるのは「行動」です。少しでも動いたらそれをほめるのです。
チャレンジしたことをほめてください。結果や成果は未だどうでも良いのです。
動いた事実をほめて下さい。
そうすると、出来ていなかった自分の表情や行動に変化が出てきます。これが「成長」です。
今度は、その「変化」を見つけてほめて下さい。まだ「成果」なんて気にしなくて良いのです。
「変化」を話題に出来る様になったら、もうしめたものです。
まとめましょう。
① 出来ていなくても「理想状態」をほめる（これは最後まで継続します）
② 加えて行動し始めたことをほめます（結果なんてどうでも良いのです）
③ 変化をほめて下さい（成果で無くても構いません）
さて、店長達を「その気」にし「やる気」を引き出したマネジャーは、次にどういう作戦を採るのでしょうか？
次回からは、舞台をひとつのお店に移し、その店の店長がキラキラ化して行く道のりをお話ししていきますね。お楽しみに。（明日は、このシリーズは1回お休みします）
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