新人3日目にはこう聴こう「明日からも一緒に顔晴れますか?」
「じゃあ、いよいよ今日最後の質問ね。3日間お疲れ様でした。では、明日からもまた私たちと一緒に顔晴れそうですか?」
「はい!」
店長の面談最後の質問に、新人アルバイトKさんは元気に答えました。
意外と思う方もおられるかも知れませんが、アルバイトを始めて3日以内に辞めてしまう人って多いのです。面接の時の意気込みはどこに行ったんだ?と思えるくらいテンションが急降下してしまうのです。
このお店のように、面接段階で「共感出来る人」を選んで採用していても、最初の3日間は、かなりデリケートなのです。
なので、受け入れる方は、全力でその新人の心理を思いやってあげないといけません。彼らのデリケートな心は、ほんのちょっとしたことで、割れてしまうのです。
新人は、仕事を覚えること、人間関係になじむこと、生活リズムを作ること・・・・これらの対応に必死です。一方で、受け入れる方は、この3つは既にクリアー出来ているのです。この差は非常に大きいのです。
相手軸に立てていない店長やトレーナーは、このデリケートな心理状態を軽く見る傾向があります。新人が、元気であればあるほど、ついつい大切な心配りを忘れてしまうのです。その新人が気丈であればあるほど、店長やトレーナーは、その「表面的な元気さ」に結果的に惑わされ、「配慮のレベル」を下げてしまうのです。
そして・・・・3日目に・・・・「辞めます」と突然の連絡・・・・
「なんか最近の新人って根性ないよね~」
「打たれ弱いというか、何というか・・・ちょっと叱ったらすぐ辞めるよね・・・」
入店したばかりの新人がすぐに辞めてしまった後、店長やトレーナーはこんな会話をしてしまうのです。新人が辞めてしまった後、店長やトレーナーが「新人の問題」を口にしていたら非常に危険です。確かに、新人の側にも多少の原因はあるでしょう。でも、原因の大半は、受け入れ側にあると責任を自覚・認識・共有しなければ、必ずまた同じ事が起きるのです。
新人の置かれた環境から来る極限の心理状態を片時も忘れずに配慮し続ける期間・・・それが最初の3日間です。新人は、この3日間で、お店の雰囲気、先輩達との相性、仕事の基本中の基本、そして自分のプライベートとの時間管理・スケジュール管理、、、、、これらを判断するのです。(きっと、あなたもそうであったようにね)
新人は、早くなじもうと必死で元気を出します。でも、心の中はドキドキドキ・・・店長やトレーナーは、この元気さに甘えずに、「気丈に振る舞っているけれど、心はドキドキなんだ」と考え、たくさん話しかけ、たくさん聴き、そして確認を怠らないことを忘れてはなりません。
で、3日目の最後の1時間を迎えるところまで来たら、仕上げは「フォローアップオロエンテーション」です。
ここで、店長による面談を行い、違和感のある部分の確認とその対処方法をアドバイスします。もちろん、受け入れ側が修正しなくてはいけないことも、ここから得られる情報を元に対応していくのです。
新人が早期に辞めてしまう・・・この原因を新人側に求めてしまうようでは、この先ずっと同じような初期退職が続きます。同じように、初期退職が続く店舗に対して、原因を現場に求めてしまうようなマネジャーや本社担当者も同様ですね。
変えられるのは自分。相手の本音を引き出せないのは自分の問題。相手が落ち込むのも自分の問題と思えるから次の手が打てるのです。
さあ、あなたの店の新人さん・・・・大丈夫ですか?
彼らの気持ち、是非聴いて上げて下さい。
彼らの元気な姿に惑わされないようにね。
そして、彼らに聴いて上げて下さい。
「明日からも一緒に顔晴れますか?」
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年06月22日
- 07:41
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