顔晴れ店長!ブログ

新人店長は「時給に対する不満」で昇給させてはいけない

新人店長は「時給に対する不満」で昇給させてはいけない


「店長~私の時給って上げてくれないんですか~この間オープンした駅前の店は私の時給より50円も高いんですよ~」

と、スタッフから言われて、あわてて時給を上げてしまう店長がいます。特に、スタッフ数が不足している店の場合、そのスタッフに辞められては困るとびびっている店長は、言われるがままに時給を上げてしまいます。ダメです!こんなことをしては絶対にいけません。こんなことをしていたら、すぐに店は崩壊してしまいます。文句を言うスタッフが辞めないことでしばらくはシフトが埋まるかも知れませんが、近いうちにもっと大変なことになってしまうのです。「時給に対する不満」を聴いたことでそれに応じて時給を上げてしまっては絶対にいけないのです。

そもそもスタッフの「時給」は、スタッフの「能力」に応じて上げていくことが基本です。単に長く続けているとか、頑張っているとか、フリーで勤務してくれるということなどで、時給を上げていたら、そのうち生産性は低いが時給だけ高いベテランスタッフばかりになります。当然ながら店には、人件費予算があります。生産性が高くはないのに時給だけが高くなると、シフト数を減らしていかねばなりません。結局それはサービスの低下に繋がり、お客様の満足度が低下し売上が下がることになります。

また、不満を言ってきたスタッフに対して時給を上げていくと、他のスタッフもそれに追随します。そうなると収拾がつきませんし、中には文句を言えないスタッフもいます。そう言うスタッフは不満を心の中に蓄積していきます。で、陰で文句を言うようになります。不満レベルではありません、文句なのです。このネガティブな空気はすぐに店舗全体に蔓延します。こんな状況で、お客様に満足して頂けるような、「また来たいね」と思えるような店になるでしょうか?絶対になりません。だから、「文句」「不満」に対応しての時給アップは、絶対にしてはならないのです。

では、時給は上げない方が良いのでしょうか?
スタッフが、不満や文句を言ってきたらどうすれば良いのでしょうか?

それには、冒頭の言葉をスッタフから言われた店長の対応がお薦めです。彼女は、ちょっとひと味違った店長です。文句を言ってきたスタッフに対し、「あ、そう。新しい店の時給が魅力ならそちらに行っても良いのよ。」と、言ったのです。言われたスタッフはビックリしました。「え?辞めちゃっても良いんですか?」「いいわよ。時給に対する不満で、それを交渉するようなスタッフならば私は要らない。時給はあくまでも、能力に対して査定するものなのよ。能力とは、売上に貢献出来ると言うことなの。売上を上げないままで時給を上げていったら、結局はシフトの時間数を減らすことになるわ。つまりスタッフの収入は増えないのよ。収入を増やすには、売上を上げることなの。そこを理解して頂戴。それに、不満をベースにした交渉によって時給を上げたりしたら、フェアじゃあなくなるわ。チームワークを乱すのならば辞めてもらっても全然構いません。」

彼女の考え方は実にはっきりしていました。彼女の時給に対する基本方針は、「売上に貢献出来る能力を発揮していること」です。その為毎月キチンとスタッフの働きぶりやパフォーマンスに対する評価をしていました。ファンを作るような元気で愛される接客をしているか?店頭で満面の笑みを浮かべてお客様を引き込んでいるか?もう一品のお薦めを上手に行って単価を上げているか?そんな様子をキチンと観察して評価するのです。その上で、そのスタッフの仕事ぶりが店の売上げに貢献していると判断したら時給を上げ、シフト時間も増やすようにしているのです。

近くに新しい店が出来たり、競合店がひと不足解消を狙って募集時給を上げたりすると、そんな情報は、必ず既存スタッフの耳に入ります。いくら店長が一生懸命に、時給ポリシイーに沿ってフェアに対応していても、スタッフの気持ちは揺らぐものなのです。しかし、それにびびっていたらいくら時給を上げても対応などしきれません。結局はその店の存続そのものが危うくなってしまうのです。

スタッフにとって一番のメリットは、「売上に貢献する事で時給評価を高め」「より多くのシフト時間数を獲得すること」です。店にとっては、そう言うスタッフが売上を上げてくれることなのです。

「わかりました店長。もう不満は言いません。でも、時給は上げて欲しいし、給料も増やしたいので、私、もっとがんばります。そして、あの駅前の新しい店をやっつけて、うちの店の売上げを上げちゃいます!見ていて下さい!私ムチャクチャがんばりますから!!」

スタッフに、時給の意味をキチンと伝えれば、必ずわかってくれます。あなたがほんとうにしなくてはならないのは、スタッフをトレーニングし、やる気を引きだし、お客様に満足して頂き、その結果をフェアに評価することなのです。

一時的なスタッフの文句に負けていてはいけません!顔晴れ~店長!

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    • author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
    • 2014年03月03日
    • 06:17
    • コメント(1)

    この記事へのコメント

    使用者と労働者は対等であり、契約によって報酬は決定されなければならない。
    使用側が一方的に賃金を後だしで査定する、この理論には賛同しかねる。
    労働者は人参をぶら下げられた馬ではない。
    Posted by 西村賢太 at 2014年08月31日 02:59
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