店長は「話し上手」になりたかったら「聴き上手」になろう(その1)
「店長が、ミーティングでお話しされると、しっかり理解出来るので、すぐに行動を起こせるんです。」
スタッフからこう言われたのはあるチェーン店の中堅店長。彼女は、キャンペーン、フェアなどのイベントや、会社が取り組もうとする新しい仕組みについて、いつも真っ先に高い成果を上げる優秀な店長です。
そんな優秀な店長ですから、さぞかしスタッフの先頭に立ってぐいぐい引っ張って行くパワー型のリーダーかと思うかも知れませんが、実はまったくそうではありません。むしろその逆で、おとなしく、ゆったりしていて、温和で、やさしい雰囲気の店長なのです。
私は、業績をどんどん上げていくような店長とは、グイグイガンガンと言うような全力疾走型の店長が、典型的なパターンだと思っていました。しかし、彼女はそう言う雰囲気の店長ではありません。不思議ですよね。そこで、彼女のようなおとなしいタイプが、なぜ高い成果を上げられるのかと言う秘密を探ることにした私は、一日かけて彼女のコミュニケーションや行動を観察しました。そこで発見したのは、私の「業績を上げる店長イメージ」とはまったく違うコミュニケーションの特徴がそこにあったのです。
彼女のコミュニケーションの特徴とは、「相手の話を最後まで聴く。」と言うものでした。それも、ただ聴いているというのでは無く、真剣な表情で聴き、そして必ず最後まで聴くのです。途中で自分の話は一切しません。質問さえもしないのです。穏やかで、にこやかな表情で、じっくりと聴いているのです。しているのは「あいづち」だけなのです。
「へえ~、そうなの」
「ふ~ん、なるほどね」
「ああ~、そうなんだ~」
とまあ、こんな感じです。ゆっくりとうなずき、ほんの少し身を乗り出し、目をしっかりと見開いて、口元はやや緩めています。もちろん、目は見開いても、眉間にしわを寄せるような表情ではありません。あくまでしっかりと、真剣に聴いているのです。
私は、話を聴いてもらっていたスタッフにその時の気持ちを聴いてみました。するとスタッフは、
「店長には何でも話せるんです。私が言葉に詰まっても、言っていることがぐちゃぐちゃになっても、慌てさせずにしっかり聴いて下さいます。だから、話した後はスッキリするんです。だからついつい何でも話しちゃいます。」
「なるほど、この店長は『聴き上手』なんだな。」と思いました。
でも、「聴き上手」なだけでは、スタッフを動かして高い成果を上げられるはずがない、と思った私は、彼女の「話し方」を注意深く観察する事にしました。
ところが、いくら彼女の話すシーンを観察して、話す内容を聴いていても、特別に上手いわけではないのです。きっと「優秀な店長の話し方は、理路整然として、まるで池上彰さんのように『なるほど』と言うことを思わせるような、たとえ話をちりばめた説得力のある話し方をするに違いない」と思っていた私の期待は、ものの見事に裏切られました。彼女の話し方は、「普通」「一般的」か、いや、むしろ、下手な方かも知れません。
私の謎は深まるばかりでした。
結局その日は、私の疑問は解消出来ずに終わったのですが、ラッキーなことに、すぐに、解決のためのチャンスがやってきました。3日に後に「店舗スタッフミーティング」があり、そこで次回のキャンペーンについて店長が説明をするというのです。「よし、こんどこそ」と思った私は、3日後の店舗スタッフミーティングに参加することにしたのです。
そして、そこで見たものは、さらに私を驚かせる驚愕のコミュニケーションだったのです!
・・・明日に続く。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年04月16日
- 04:49
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