店長のための「言える化」推進計画(その3)
「360度評価って何なんですか?」
私から「360度評価実施」提案を受けた店長は、初めて聞く調査の名前に少し戸惑った様子で私に尋ねました。今回私が調査を提案したのは、この店の店長とスタッフリーダー、あとサブリーダーの3名に対して「部下が上司を評価する」と言う新しい仕組みでした。
この店では、パート・アルバイトのスタッフリーダーの威圧的なリーダーシップの影響で、スタッフが萎縮し、店内もギクシャクした空気が流れており、それが影響しているのか業績が低下傾向になっていました。店長は、そんなスタッフリーダーのコミュニケーションスタイルを改善してもらおうと手を変え品を変えアプローチしますが、当のスタッフリーダーは、「自分も真剣にこの店を何とかしようと考えている。やっていることは正しいんだから、文句は言わないで欲しい」とばかりに、店長の要請を受け入れません。
しかし、スタッフリーダーAさんの、リーダーシップは明らかにスタッフの気持ちを低下させていました。そこで、Aさんに、そのようなやり方ではスタッフは付いてこないんだと言うことを自覚させるために、「360度評価」を行い、彼女に自覚と改善を求めることにしたのです。もちろん、Aさんだけではなく店長と3番手のサブリーダーも一緒に部下からの評価を受けることにしました。私としては、Aさんに全ての問題と責任を求めるのではなく、店長が採るべきリーダーシップとサブリーダーとして担うべき役割についても、改善が必要だと考えたからです。
さて、360度評価について、その意味と目的を店長に説明した私は、その店の店舗ミーティングで、今度はスタッフに対して「部下評価の記入方法」について説明をしました。
「みなさん。今日のミーティングで、皆さんにアンケートをお願いします。皆さんの先輩及び上司である、店長とAさんと、Bさんの『リーダーシップについて』評価をして欲しいのです。誰が記入したかは絶対にわかりませんから、安心して、思うこと感じていること伝えたいことを正直に記入して下さいね。」
「マネジャー(私のこと)。何でまた急にこんなアンケートをするんですか?」
「イイ質問ですね~。それはね。店長が、この店をもっと『自由に発言できる前向きで主体的なスタッフであふれかえるようにしたい。そうしてそれを基盤にもっとお客様に喜んで頂ける店を作りたい』と思っているからです。しかし、この店は最近お客様のクレームも増えているように、ちょっとドタバタしていますよね。私は、このままでは、店長が目指す店作りが出来ないと思ったのです。そこで、この店を引っ張っている3人のリーダーに、もっと素晴らしいリーダーシップを発揮して頂くために、課題や改善ポイントをはっきりさせたかったのです。」
「じゃあ、こうして欲しいなあ~と言うことを何でも書いて良いんですか?」
「もちろんです。この3人には、このアンケートをきっかけにバージョンアップして頂きます!」
この店のスタッフは、今でこそおとなしくて静かにしていますが、元々は元気なスタッフばかりです。本当は言いたいことをたくさん持っています。この360度評価をキッカケに、本来の元気いっぱいのスタッフ達に復活させるのも、その目的のひとつなのです。
アンケートは、A4に1枚分で、質問は、40問。リーダーとして求められる行動や発言について「あてはまる」か「ある程度当てはまる」か「まったくあてはまらない」か「わからない」かの4つで答えます。ポイントはそれぞれ、5点、3点1点として、「わからない」はノーカウントにしています。
今日はここまで。明日は、「360度評価」ではどういう質問をしているかについてご紹介しますね。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年04月21日
- 06:26
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