そうだ「お店の健康診断」をしよう:その14お店のメインターゲットを決めよう
第2章:お店の商圏とポテンシャルについて理解しよう
⑦お店のメインターゲットを決めよう・・・まぐろを釣りたい時はどこで釣る?
「自分の店のメインターゲットが『どこに住んでいるどういう人でなぜこの店を選んだのか』を、即座に答えることの出来る店長は優秀だ!」
あるチェーン店の営業部長がよく言う言葉です。
店長は、「自分の店には、こういう感じの人がよく来ます。」とか「土日は、ファミリー客が多いですね。」などとは言うことが出来ます。しかし、「自分が狙っているのは、こう言うひとだ!そのひとは、うちの店のここを気に入って来店して下さっている。」と、そのターゲットの具体的なイメージを持っている店長って、そんなに多くはないのです。
この違い、何だと思いますか?
前者は、「目の粗い大きな網」で「待ちの姿勢」で売上げを獲得しようとしている店長です。
後者は、「ライフル銃で狙いを定め」て「攻めの姿勢」で売上げを獲得しようとしている店長です。
一見、前者の店長の方が、たくさんのお客様を獲得できるような気がするのですが、実はコスト的にも、お客様満足度的にも、非常に効率の悪い方法なのです。
例えば、店の半径2km1万軒に平均的に新聞折込をしたとします。印刷代と折込代を合わせて、1枚あたり20円で20万円程度かかります。回収率(反応率)が、20%だとしたら、2000組のお客様が増加します。客単価が、1000円とすると200万円の売上げ増です。この店の利益率が、10%とすると、利益は20万円・・・投資回収率は、100%、つまりプラスマイナスゼロ。とんとんと言うことです。(利益=増加キャッシュと仮定)
一方で、メインターゲットを決めて、彼らが多く住むエリアをGIS(地理情報システム)で特定し、そのエリアの5000軒に、集中折込をしたとします。コストは、同じく1枚あたり20円で10万円程度かかります。しかし、回収率は、薄く広い折込よりもターゲットを定めて集中しているので当然ながら反応率が高くなります。その結果、30%が回収されて、1500組のお客様が増えることになります。客単価が1000円だとすると、増加売上げは、150万円。増加売上げは少ないですが、利益率10%だと、増加利益は15万円。1万枚を折り込んだ時よりも、利益が5万円増えるのです。
他の例で言うと、駅前のチラシ配りやティッシュ配りを見てみればよくわかります。
のべつくまなく誰にでも配っているローン会社やコンタクトレンズ会社の人達と、しっかりとターゲットを見定めて配っているエステサロンや化粧品販促の人達とでは、明らかに効果効率が違うはずです。(もちろん、きちんと狙いを定めて配っているローン会社やコンタクトレンズ会社もありますよ。あくまで例ですからね。)
チラシ配りの名人からすれば、こんなことは常識なのですが、何も考えていない店長は、アルバイトに大切な「ターゲット」について、何も具体的な指示をまったくしないのです。
そんな何も考えていない店長の口癖は、「クーポンの反応が悪い・・・」「競合店にお客様が奪われている・・・」「消費税が上がったからね・・・」なのです。これで売上げが上がるわけなんてありませんよね。
ターゲットを具体的に決めて、駅前でも住宅街でもピンポイントでアタックする店長は、折込にしろチラシ配りにしろ、指示の内容が違います。例えばチラシ配りだったら、
「朝8時から9時の間で、駅を降りてビジネス街に向かう、ちょっと疲れていそうなOLさんに『午後からの仕事にパワーが必要な時に絶対お薦め!ボリュームたっぷりだけど脂っこくないランチメニューの割引券です!』と言って、ニコッと笑って、元気良く、そして店の場所を指さしながら配りなさい。」と、これくらい具体的な指示をします。
さらに、クーポンに誰が配付したかわかる様な印を付けて、クーポン回収コンテストをしたり、インセンティブを付けて時給をアップしたりと、回収効果を高める工夫をしています。
「商圏(マーケット)」には、どの場所にも同じひとが同じだけいるわけではありません。
それぞれの場所に、それぞれの目的を持った違うひとがいるのです。
まぐろを釣ろうとして、川に釣り糸を垂らすひとはいませんよね。
ターゲットを具体的に決めれば、そのひと達がたくさん居る場所で、告知作戦をすれば良いのです。
そして、ターゲットに向かって、ターゲットが関心を持つように仕掛けを投げ込めば良いのです。
商圏(マーケット)とポテンシャルを把握して行くには、ターゲットをしっかりと具体化しておくことが大切なんです。
さて、あなたの店の「メインターゲット」はどんなひとですか?
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年09月01日
- 09:42
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