「iPhone用の充電ケーブルはどこにありますか？」
「はい、iPhone用のケーブルですと、こちらの棚にございます。他に、何かお手伝い出来ることはございませんでしょうか？」
「いえ、ありません。大丈夫です。ありがとうございます。」
「ありがとうございます。何かございましたら、いつでもお声をお掛け下さい。」
この会話は、吉祥寺のヤマダ電機でiPhoneの充電ケーブルを探していた私と店舗スタッフとの会話です。
実は、正直言うと、私はこのスタッフとの会話に、かなりの驚きを感じていました。
と言うのは、私はヤマダ電機のスタッフの接客力についてはそう高くは評価していなかったからです。どちらかというと、必要最小限のことしか話さない、ちょっと淡々とした感じの印象がそれまでは強かったのです。
そう言う印象が強かったこともあり、私は、吉祥寺にヤマダ電機が出来ても買い物をすることは無かったのです。
私が、吉祥寺で電化製品などを買うときは、ヨドバシカメラに決めています。価格の安さもさることながら、商品陳列の見やすさ、品揃えの豊富さ、そして何よりも店舗スタッフの親切な応対が、昔から気に入っていたからです。
しかし、この日、私が探していたiPhone用のケーブルは、少し特殊な形状をしていたこともあり、ヨドバシカメラには置いていなかったのです。
「じゃあ、仕方が無いけど、ちょっとヤマダ電機をのぞいてみるとするか・・・」
そう思った私は、200mほど離れたところにある、ヤマダ電機に向かいました。
そして、入った店内でお目当てのケーブルを探したのですが、案の定、どこにあるのかわからない。
まあ、ほとんど見た事も無い店内です。その上、スッキリはしているけれどなぜか、どこに何があるのかが良くわからない不思議な陳列・・・私は、ため息交じりで、すぐ近くにいた店舗スタッフに尋ねたのです。
それが、冒頭の会話です。
衝撃的でした。
ヤマダ電機に、こんな接客が出来るスタッフがいるのか・・・（ヤマダ電機さんスミマセン！）
私は一瞬にしてヤマダ電機のファンになってしまいました。
彼女が言ってくれた事は、そんなに特別なことではありません。
むしろ、きちんとした店のスタッフならば誰もが出来なくてはならない会話です。
だって、お客様から話しかけてくれるなんて、むちゃくちゃチャンスですものね。
このチャンスを活かして、良い印象を持ってもらうことが、販売スタッフや案内スタッフの第一ミッションなのです。
ところが、多くの店がこう言う「売り場を探しているお客様」を軽く扱っています。
「売り場を探している」から「その売り場を教える」ことで、ミッションが達成されたと思っているのです。
全然違います。
それだけでは、お客様は「本当に満足行くお買い物が出来る」とは限らないのです。
店舗スタッフがお手伝いをすれば、そのお客様は、もっと、良い買い物ができるかも知れないのです。
ただし、スタッフが店内で目をぎらつかせてご提案のチャンスをうかがっていると、お客様をびびらせ、うっとうしがらせます。
しかし、「売り場を探して話しかけて下さったお客様」は、そのお客様の方から、アプローチをして下さっているのです。
もの凄いチャンスなのです。
だから、「出来る店舗スタッフ」は、案内した後、さりげなく、そのお客様の近くにいるようにしています。
一度会話を行った相手ならば、二度目はとても話しかけやすいからです。
しかも、親切なスタッフという良い印象を持ってもらっています。
ご相談やご提案の接客会話がしやすくなるのです。
ヤマダ電機・・・まあ、彼女のようなスタッフばかりかどうかはわかりませんが、私は印象が変わりました。
今度買い物に行くときは、ヨドバシカメラだけでなく、ヤマダ電機ものぞくようにすることにいたしましょう。
※ヤマダ電機LABI吉祥寺の公式ホームページはこちら
http://www.yamadalabi.com/kichijoji/
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