「あ、あそこにスタバがあるよ！」
「あ、ホントだ、看板あるね。行こう！」
ある日、JR吉祥寺駅の北口から、まっすぐに北に延びるサンロード商店街を歩いていた私の耳に、目の前を歩く若い女子達の会話が飛び込んできました。
商店街を歩いている彼女たちは、スターバックスコーヒーの看板を見つけ、そこに行こうと言っているのです。
しかし、このサンロード商店街には、スターバックスコーヒーはありません。
私は、彼女たちは、すぐ先にあるエクセシオールカフェのことを見つけて、間違ってスタバだと言っているのかなと思ったのですが、実は、そうではありませんでした。
彼女たちは、そのエクセシオールカフェの横にある路地を入り東側の大通りの方に向かったのでした。
実は、彼女たちの向かったその先には、新生銀行に併設したスターバックスコーヒーがあるのです。
「へえ～、このサンロード商店街から、よくあの大通りの方にスタバあることがわかったな。でも、何でわかったんだろう？」
そう思った私は、彼女たちの後を追って、その路地に入りました。
すると、確かに看板があるのです。
スタバがある新生銀行のビルの側面に、あの丸い緑色の看板があったのです。
「なるほどな～この看板を見つけたのか。でも、ここにこんな看板ってあったかな？以前は、無かったような気がするぞ・・・」
私は、商圏や立地の専門家です。
お店がその立地を活かすには、視認性を高めるための看板が非常に重要な役割を果たします。
その為、私が行うコンサルティングでは、看板の「大きさ」「色」「文字」だけでなく、「高さ」や「位置」についても、事細かく指導をします。
そう言うこともあって、私は、町に出ると色々な看板を観察することが癖になっており、たくさんの看板のデータベースが私の頭の中にはあるのです。（ちょっと大げさですが・・・）
そんな私の記憶の中には、この位置、つまり、このビルの側面にはスタバの看板は無かったはずなのです。
そう想いながら事務所に戻った私は、すぐにパソコンを立ち上げ、看板の写真資料を探しました。
そして見つけたこのスタバの写真には、やはり、ビル側面の看板は無かったのです。
実は、以前、側面視認性の悪いスタバだな～と思っていたので、たまたま資料として撮影していたのでした。
しかし、このスターバックスコーヒーという会社には、ちゃんと側面視認性の重要性を理解している強者がいるようです。
彼らは、この店の視認性の問題に気がつき、突き出し丸形看板を店の正面左の低い位置（歩行者の目線の入る高さ）に移設し、新たにサンロード商店街から、路地を覗くと（ギリギリだけど）見える位置のビル壁面にもう一箇所増設していたのです。
その結果、店の前を歩く人からの丁度良い高さで看板が見え、サンロード商店街からも路地を覗けば見えるようになり、視認性はかなり向上しています。だから、彼女たちはスタバの存在に気がついたのです。
う～ん、なかなかやるな～スターバックスコーヒー吉祥寺駅前店の店長さん！？
いや、もしかして、私の知っているあの人達の仕業かな？
ま、いずれにしても、素晴らしいアクションです！恐れ入りました！！
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