店長のための観る聴く問う講座:9つのスキル「観る・・・観察する」その2
「あのスタッフ・・・テーブルの上のカスターセット(注:塩や胡椒などのセット)やメニューブックの並べ方、きっちりしていますね。几帳面なんですね。でも、そのせいで作業が遅いな・・・あれじゃあダメだ・・・」
若き店長は出来る店長の店で「観る聴く問う」のレクチャーを受けているときに、ふと、ひとりのホールスタッフの動きを見ながらつぶやきました。
それを隣で聴いていた出来る店長はすかさず、
「お、良いところに気がついたね。彼女は、あの神経質過ぎるほどのきちんとしたセッティングが強みなんだ。あれが、彼女の『やる気』なんだよ」
「でも・・・遅いです。あれをピーク時にやられたらたまりません。あの遅さも『やる気』なんですか?」
「そうだよ。確かに遅いけれど、昨日よりも確実に早くなっているんだ。僕は、昨日も今日も彼女の成長を見ているからね。彼女の強みを殺さないようにしながら、スピード面での成長を見守っているのさ」
「あ・・・そういうことか・・・」
若き店長は、出来る店長が行う「観察により『やる気』を見つける。そしてさらに信じ続ける」ことの具体的な事例を目の当たりにしたことに気がついたのです。
「誰にでも、出来ていないところはあります。逆に、出来ているところやこだわっているところ、無意識でも他のスタッフとは違う優れたポイントもあるのです。まずは、そこ、出来ている方、優れている方に着目するのです。その上で、もっと良くなるための課題を自分で気づかせ、自分の意思で努力させる。店長は、その努力を見守ることと、その変化・成長をしっかりとつかんで当人にフィードバックする。これは、『やる気』を信じていないと出来ないんだよ」
「僕は、問題点に目が行っていました。もちろん、良いところにも気がついていましたが、むしろ問題点の方が気になりました。問題点を気にしていると、やる気や変化、成長に気がつき難いのかも知れませんね」
若き店長は、「観察」の目的である「やる気は必ずあると信じる」と言う事について、少し理解が進んだようでした。
「彼女に対して、問題点、課題の改善を求めてばかりだと、確かに改善はしていくんだけれど、逆に、強みであるきちんとしたセッティングのレベルが低下してしまうんだ。店長に認めてもらうには、『スピードの方が大切なんだ』と思ってしまうからね。彼女のきちんとした性格は、カスターセットの整え方だけではなく、他にももっと活かされるはずだからね。新人の内から良いところ、強みの芽を摘んでしまってはいけないからね。スタッフの良いところを殺してしまう店長って、実はとても多いんだよ。悲しいよね」
「うう・・・胸が痛い・・・恥ずかしいです」
若き店長は、スタッフを信じ、その成長を細かく見守っている出来る店長の仕事のスタンスを見て、また一つ自分は成長出来たかも知れないなと、感じていました。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2015年06月20日
- 11:10
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