「うう・・・胸が痛い・・・でも・・・」
１つめの傲慢心・・・相手には何の関心もない
２つめの傲慢心・・・相手の言う事は全部間違い
３つめの傲慢心・・・相手は何も知らないから俺が教えてやろう
若き店長は、ホワイトボードに書かれた「３つの傲慢心」を見ながらボソッとつぶやきました。
「いや、けれど、決して関心がないとかという意識ではないんです・・・まあでも、面白いとか、興味があるとかという気持ちで、スタッフを観察しているわけでもないですね。出来ているかいないかとかミスをしていないかとか、そういう意識で観ています。話を聴いているときは、スタッフの話がよくわからん！とか、何が言いたいんだ？とか、分かってないなあ～という感じで聴いていることは確かですね。でも、教えてやろう・・・とは思っていないような気がするなあ。それに、スタッフの考えは全部間違っているなんて思ってはいませんよ。スタッフの事は尊重しているつもりです」
若き店長は、「胸が痛い」と言いながらも、出来る店長が示した「3つの傲慢な心」ほどは、自分は傲慢ではないと反論をしたのでした。
「そうでしょうね。多くの店長は、スタッフに関心がないとか、スタッフは全て間違っているなんてことは言いません。ならば・・・彼らの発言を否定するっておかしくないですか？『でも』とか『しかし』とかを使って言葉をさえぎり『こういうことも言えるだろ』『こういう考えもあるんじゃあないか』と、自分の意見を言っていませんか？これって『否定』の一種ですよ」
「でも、しかし、けどね・・・言っています」
「相手の言う事は全部間違い、と言うのは極端だとしても、相手を尊重すると言う事は『最初にノーやバットを言わない』と言う事なんだと思うのです。まずは全て受け止める。否定をしないことがポイントなんですよ」
出来る店長は、自分の表現が極端ではあるものの、多くの店長は結果として「傲慢な態度」を無意識に採ってしまっている、と言う事を言いたいのでした。
私たちは、出来る店長がホワイトボードに書いた「3つの傲慢な心」を素直には認めたくはなくても、実は結果的にこのような態度を取っているのです。
スタッフに関心があるのならば、なぜ、最後まで黙って聴かないのですか？
スタッフを尊重しているのならば、なぜ、「でも」とか「しかし」とかをいって否定をするのですか？
スタッフから学ぼうと思っているのならば、なぜ、自分の意見を一生懸命伝えようとするのですか？
この説明を聞いていた若き店長は、
「ぐうの音も出ません・・・・認めたくはないですが、私の行動は出来る店長のおっしゃるとおりです。でも、ついついやっちゃうんです。どうすれば良いんでしょうか？」
「あはは、また『でも』を言っているね。傲慢な心に喝を入れて謙虚な気持ちになるための準備運動はたったひとつです。それは・・・」
『相手の話を否定しないこと』
出来る店長はホワイトボードにこう書きました。
そして、続けて若き店長に質問をしました。
「では、否定をしないで受け止めるための、効果的な相づちの言葉を５つ考えてください」
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