店長のための観る聴く問う講座:9つのスキル「問う・・・質問する」その10
「じゃあ、いよいよ『3つの軸』別の質問方法の違いを教えていただけるんですね。ワクワク」
若き店長は、自分が出来る店長に質問した「ネガティブな反応に対する質問の仕方」について、出来る店長からレクチャーをしてもらえることにワクワクしていました。
スタッフや部下との会話、面談の際に、相手がネガティブな発言をすると、上司や店長が「前向き」「ポジティブ」であればあるほど、「そんなこと言っていたらダメだ」と、つい「説教モード」になることが多いのです。
説教まで行かなくても、なんとかスタッフの気持ちをなぐさめるか、さとしたくなるものです。
一般的にポジティブな上司は、部下もポジティブな考え方をしてくれることを望んでいます。
そして、ネガティブな発想には百害あって一利なしという考えを持っています。
私も同じです。
しかし、面談時に行う「問い・・・質問」においては、その考えを一度横に置いておく必要があります。
このコラムで何度もお話をしていますが、「相手の考えを尊重し、相手の立場、背景、状況を理解する」ことが、何よりも聴く姿勢として大切なのです。
つまり、「今どのように考えているか」の前に、「そのような考えに至った背景を理解する」ことを先にするのです。
そうしないと、聴き手側、上司からの一方的な指導になってしまいます。
それでは、話し手、部下、スタッフは自ら解決策を考えることをしなくなります。
上司は、いくら自分のポリシーや考え方がポジティブ推奨派であっても、部下のネガティブな発言や考え方を「頭ごなしで」否定をしてはいけません。
あくまでも「聴き」、あくまでも「問う」のです。
好きとか嫌いとか、正しいとか間違っているとか、はひとまず不要なのです。
それは、スタッフ自身が自分で決めることなのです。
さて、聴くための基本姿勢を保つことが出来たら、いよいよ質問です。
相手の発想が「ネガティブ」ならば、まずは、その話が「いつ」の時の話なのかを確認する必要があります。
この「いつ」を考えるのが、3つの軸のうちの時間軸なのです。
時間軸には、
1)現在
2)過去
3)未来
の3つがあります。
相手が話すネガティブな状況や考えというのは、以前のことなのか、今のことなのか、先を予想してのことなのかに分かれるのです。また、この3つの内2つ3つの組合せで話すこともあります。
いずれにしろ、これらのネガティブな考えの基になっているのは、「過去」の出来事のはずです。
よくあるアプローチは、その過去の経験や行動、に対しての「反省」を促すアプローチです。
そして、良くないなと思うのは、反省させてその話を終わらせるという上司のアプローチです。
世の中には、部下の「反省の言葉」を聴くとそれで安心してしまう上司が多いのです。
私自身は、このようなときの「反省」そのものの必要性については否定はしませんが、反省だけで終わることについては異論を持っています。
「反省」はいくら行っても、「後悔」しか生まれません。
「改善」「復活」「成長」「進化」につなげる様にアプローチをしないと、部下にとっても上司にとっても「過去のネガティブな経験」は、何の糧にもならないのです。
「過去」についての質問アプローチのポイントは「反省」のあとに「後悔」を突っつくことです。
「後悔」を突っついて、「もう一度同じ状況に出会ったならば、今度はどうするか?」を考えさせるのです。
それが「改善策」であり、その「改善策」を実現出来るのが「現在」なのです。
この質問アプローチを行う事は、「未来」に対するネガティブな想像のままで良いのかどうかを、スタッフ自ら考え直すきっかけになるのです。
詳しくは明日お話ししますね。
***************************
※「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」(同文舘出版)のAmazonサイトはこちら(でも、出来れば本屋さんで買って下さいね。どうぞ、宜しくお願い致します。)
http://www.amazon.co.jp/dp/4495530313/
※「店舗力診断」「従業員満足」「ミッションPDCA」「中小企業のブランド戦略」に関するご相談、従業員満足度調査、セミナー、研修、売上アップコンサルティングなどについては、弊社までメールかこのホームページの「お問い合わせ」「お気軽にご相談下さい」から、お問い合わせ下さい。ご連絡をお待ちしております。
※「店長ナビ・店舗力診断」専用のホームページがオープンしました。詳しくはこちら!
http://www.tenchonavi.com/
※「店長ナビ・店舗力診断webアプリ」と言う新サービスがスタートしました。詳しくはこちら!
http://tenchonavi.com/contents_124.html
- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2015年07月12日
- 09:29
- コメント(0)
この記事へコメントする