
昨日、あるテレビ番組を観ていたら、資生堂の「watashi+」と言うサービスが紹介されていました。
http://www.shiseido.co.jp/wp/
このサービスは、資生堂が、店頭で行っている、ビューティーコンサルタントのカウンセリングを
webを使って、テレビ電話で行っているものです。
まあ、私は化粧をしないので、そのサービスそのものには特に関心はなかったのですが、
ちょっと、気になったのが、webカメラの前に付けられた、丸い鏡でした。
写真がないので、説明がしにくいのですが、
このサービスは、webカメラを使用して、スカイプのような仕組みで、お客様とお互いの顔をモニターで
見ながら、コミュニケーションを行う仕組みです。
カメラを使用しているので、相手の表情がよく解るのです。
声だけの電話に比べると、表情が伝わりますからリアル感が増します。
ましてや、このサービスは、お化粧についてのコンサルティングを行うものです。
顔が写ることが重要です。
その中で、私が注目したのが、ビューティコンサルタントが使用するパソコンに取り付けられたwebカメラの前に
ある「鏡」だったのです。
たぶん、これはマジックミラーなんでしょう。
このミラーに向かって、コンサルタントが話しかけます。
ミラーには自分の顔が映っています。
そのミラーの裏には、カメラがあり、自分の顔を写しています。
さて、これは、何の為の鏡なのでしょうか?
最初は、webカメラを使う時の、カメラ目線と、モニターに映る相手の顔を見る時に、僅かに目線が切れる違和感を
防ごうとしているのかな?と思いました。
しかし、それは、カメラ目線で話せば、解決出来そうです。
私は、ビューティコンサルタントの経験はありませんし、
デパートの化粧品コーナーでお化粧をしてもらったこともありません。
でも、見た事はあります。
なので、
webカメラを使用したテレビ電話でのビューティコンサルティングとデパートで行うビューティコンサルティングの違いを
考えてみました。
テレビ電話がリアル対面と一番違う点は、モニターの中に相手の顔があると言う事です。
(あたりまえですが・・・)
このモニターの中にある表情って、webカメラの広角レンズを通しての映像ですから、少し違和感があるのです。
テレビドラマやニュースで見る自然な表情ではなく、周辺が引き延ばされた平面的な顔になるのです。
カメラに近づくと余計それが強調されて変な顔になります。
カメラから遠ざかると、顔が小さくなってしまいます。
ビューティコンサルタントのパソコンのwebカメラの前に取り付けられた鏡には、そのコンサルタントの顔が写っています。
たぶん、私の想像ですが、webカメラを通した表情の無機質感や平面感を防ぐ為に、より表情に気を遣って話そう、
と言う目的があるのではないか?
と思うのです。
鏡に向かって、自分の表情を見ながら話すのです。
それは、相手が見ている自分の表情です。
通常、リアル対面では、鏡に向かって話はしません。
しかし、デパートの化粧品コーナーの独特の空間や雰囲気を共有しながら、コンサルティングが出来ます。
webカメラでのテレビ電話ではそれが出来ません。
カメラに向かったビューティコンサルタントの表情が、その雰囲気を作らねばなりません。
ましてや、モニター越しです。
難易度が高まります。
だから、鏡に向かって話して、より暖かい表情になるように気を遣っているのではないのでしょうか。
これは、あくまでも私の勝手な想像です。
よく、「相手の立場に立つ事が大切」と言われます。
「相手の立場に立って考える」とも言われますが、
最終的には、相手と同じ目線で、相手が見ている自分の表情が、見えてくる様にすることなのです。
これが「相手軸視点」です。
相手の眼を通して自分を見る。
簡単ではありません。
でも、簡単に出来る方法があります。
鏡に向かって、話をするのです。
でも、これは、あくまで鏡。
相手の眼で見ているのではありません。
とは言え、相手にも同じ映像が見ています。
これは、「相手軸視点」を持つ、具体的な練習方法なのです。
資生堂は、webを通じたビューティコンサルティングで、新たな事業を展開し始めています。
その際に、「相手軸視点」に拘っているようです。
こういう所が、トップランナー所以なのでしょうね。
この姿勢、見習いたいものです。
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